『日報から始まる社員との関係作り』
東支部12月例会は東八商事(有)常務取締役の深田氏に報告をして頂きました。今回は「日報から始まる社員との関係作り」というタイトルで、どのように社員と接しながら、変革を行ってきたかお話を頂きました。
仕組み作りとしてまず始めたのが、社員の当日の作業内容や翌日の予定を確認するための日報の提出だったのです。
深田さんは6年前に父親が社長を務める東八商事(有)に入社しました。当時の社員は社長と共に長年会社を支えてきたベテランを中心に現場で働く職人気質で、今まで日報等の書き物をしたことがなかったそうです。日報の導入を進めた時に「書き物をすることが自分の仕事ではない」と社員に囲まれ日報の採用を反対されましたが、深田さんは何とか書いてくれるよう働きかけました。書き方を説明し、まずは名前だけでも書いて出してほしいと呼びかけ、書きやすいようにフォーマットを変えていったりと全員が提出してくれるよう努めたそうです。
そして、提出された日報に赤ペンでコメントを入れ、時には感謝の言葉を添えたりしながら少しずつ社員との距離を縮めてきたそうです。このことをきっかけにその後は組織化をはじめ、稟議書等の社内文章の充実、そして就業規則の導入と社内変革を行ったそうです。
グループ討論では「あなたは会社でどんな社内変革をしてますか?」というタイトルで、会社の仕組み作りについてグループごとに意見を出し合いました。朝礼の導入やミーティングの強化などの実践の具体例や、「何のための変革か?」という目的の明確化など、活発な意見が飛び交いました。
今回の報告を通して感じたのは、日報の採用を反対された時に諦めずに採用する意思を貫いた深田さんの覚悟でした。「会社の為」、そして「社員の為」に行うのだという強い思いがあったのだと思います。そして強く意志を貫くためにも会社の方向性を明確にした「経営理念」や「経営指針」の重要性についても再確認出来た内容だったと思います。
(株)宮下 甲府営業所 所長 宮下 和